家庭教師をしていた頃の話

もう10年ほど前になりますが、大学生のときに家庭教師をしていました。
下世話な話ですが、単純にお金になるからという理由もありました。
ただ、中学生や高校生といった世間をまだ知らない純粋な人を相手にすることなので、やるからには責任をもって、間違っていたとしても少なくとも精一杯やろうという気持ちがあったことを今でも思い出すことができます。


最初は家庭教師を斡旋してくれるような会社に登録して、何件かのご家庭で家庭教師をすることになりました。
斡旋してくれるその会社はご家庭に教材を売って、それを教える家庭教師を派遣するというスタイルだったのですが、我々家庭教師に対しては教え方の指導などは何もなく、毎月の実施報告と、電話での仕事の依頼だけの関係でした。


依頼がきたら、あとは自分でそのご家庭と最初の日取りを決めて、家庭教師をする。
家庭教師をしたら、実施報告書を書いて、ご家族の方にサインをもらって、月末に実施報告書を会社に提出し、報酬を振り込んでもらうような毎日です。


会社側は、講師をしている私たちの管理など何もしてくれていません。仕事の依頼の電話だけでもすぐにわかります。私がどれだけのご家族を担当しているのを知らずに、どんどん斡旋してくるのです。
ましてや、こちらはご家庭に売られている教材や、家庭教師1回あたり(90分)の金額さえ知らない状態です。
さらには、ご家族の方から「先生は会社の研修で毎月指導方法を学んでらっしゃるって聞きましたが」と言われる始末。
こんな会社があるのかと愕然としましたし、教育を食い物にしているこの会社に憤りさえ感じました。まぁ今では1つの経験値をつけさせてもらったと思っていますが。


さて、最初にサインをさせられた誓約書(内容は覚えていません)のこともあり、会社を相手に直接戦うことができなかった大学生の私は、きっと誓約書違反なのでしょうが間接的に戦うことにしました。
(サインした以上私の方が立場が悪いことは承知ですが、10年も前の話なので時効かな?><)


1.その会社の登録を解除する。  あっさり辞めました。
2.担当しているご家庭に事情を話し、講師派遣をストップしてもらう。
  私が辞めたことを知った会社は別の講師を派遣するため、講師派遣をストップしてもらいました。
  家庭側は教材費はすでに払ってしまっていますが、講師はいつでもストップできる仕組みでした。
3.そのご家庭と直接個人契約する。  その後も直接担当させていただきました。


大学生の私ができることは、これくらいだったのですが、それでも担当しているいくつかのご家庭に満足してもらうことができるようになりました。
教材費を払っているご家族側からすれば、教材を最後まで面倒見てよ!とお思いになるかと思いますが、私はその部分を決して疎かにした訳ではありません。
その部分については、実践編でお話できればと思います。